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最高裁判所第三小法廷 昭和22年(れ)296号 判決

主文

本件上告を棄却する。

理由

本件再上告は、昭和二十二年十一月十四日東京高等裁判所が上告審として言渡した上告棄却の判決に對し、日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法の應急的措置に関する法律第十七條に基ずいて申立てられたものであるが、同條の上告も刑事訴訟法にいわゆる上告に該當するから、その申立期間は同法第四百十八條により五日であるが、辯護人坂本英雄提出の再上告申立書によると東京高等裁判所は該書面を昭和二十二年十一月二十日受降けた旨の受附印が押捺されている。これによって、本件再上告は、上告權消滅後に申立てられたものと認めるのほかないから、同辯護人提出の上告論旨に對する判斷を爲すまでもなく、刑事訴訟法第四百四十五條によってこれを棄却すべきものとし主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

(裁判長裁判官 長谷川太一郎 裁判官 井上登 裁判官 庄野理一 裁判官 島 保)

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